先月、山本浩二さんの喜寿をお祝いする会が開かれました。カープの初優勝から選手・監督として６度のリーグ制覇に導いた、皆さんご存じ「ミスター赤ヘル」は長きに渡って広島テレビを支えてくださっています。会では会社の先輩方やカープＯＢの皆さんのお話を聞いて、山本浩二さんと築いてきた伝統や歴史を受け継いでいかなければと思いを強くしました。涙あり笑顔ありで素敵な時間となりました。

　私にとって山本浩二さんは今の仕事に繋がる原点の方です。現役時代のプレーはリアルタイムで見ていません。ただ、私がスポーツアナウンサーを志すきっかけとなった試合で解説をされていたのが山本浩二さんでした。ある球団（山口県出身のためお許しください）の優勝決定試合で４点を追い掛ける９回ウラ、無死満塁で打席には江藤選手。そこで山本浩二さんは「真っ直ぐ１本を待っていますよ、それを打ち損じないように打つことなんですね、空振りでもファウルでもいけない、その１球で決めるという気持ちを持たないといけない」と話しました。そしてその言葉通りに真っ直ぐを１球で仕留めて同点満塁本塁打を放った江藤選手。その後二岡選手が２者連続本塁打を放ち、優勝をサヨナラ勝ちで決めた劇的な試合でした。鋭い読みの解説とそれを実現させたプロ野球に私は小学生ながら夢を抱きました。

　あれから２０年以上が経ちました。放送席では隣に山本浩二さんがいらっしゃいます。改めて感謝と、子どものときの気持ちを思いだして精進していく気持ちになりました。山本浩二さんが末永く元気でいらっしゃることをお祈りしています。