ANNOUNCER BLOG
久しぶりに生で聞く音に、しびれました。
集合時間より前にひとりグラウンドに姿を現し、
一歩一歩土を踏みしめるエースのランニングの音。
どこまでもその軌道で伸びて進んでいきそうな、
スピンのきいた球がグローブに収まるキャッチボールの音。
打球の行方などもはやどうでもよくなるような、
その瞬間「捉えた」とわかる甲高くも乾いたバッティングの音。
これまで何度も聞いていたはずの、
野球にとって当たり前の音たちが
こんなにも心地いいなんて。
久しぶりのマツダスタジアム取材は
そんないちプロ野球ファンの感想から始まりました。
5月21日、カープは集合練習をスタートさせました。
これまで感染防止のために複数班での練習体制をしいていましたが、
メンバーが一堂に会し、投手・野手合同の練習を再開しています。
それと同時に始まったのが、
「マツダスタジアムを見に行こう」という企画。
抽選により招待されたファンが
間隔をとり、マスクをしてスタンドに座ります。
球団も感染拡大防止策をとったうえで
「ファンに元気を届けたい」という取り組みです。
私が取材で訪れたのは前の土曜日。
柔らかな日差しに、コンコースを抜けるすこし冷たいくらいの初夏の風。
最高の野球日和、そして野球観戦日和でした。
暑さ対策のカープ帽。感染症対策のカープマスク。
そして、思い思いの赤いユニフォーム。
野球場にでかける喜びを
みなさんが全身で表現されていました。
緊急事態宣言が解かれたとはいえ、
油断のできない状況には違いありません。
万全には万全を期して、ファンのみなさんへ
「大きな声での声援はお控えください」のアナウンス。
でも結果的にそれが、野球が生み出す音の
すがすがしさ、小気味よさを伝えていたように思います。
シュッ、バシッ、カキーン。
そんな音に乗せて、ファンとして
開幕への思いを馳せていました。
そして、取材者として。
この音を聞けない人たちが多くいるなかで、
自分は球場で実際に耳にしている。
その自覚と責任を常にもって、仕事にあたらないといけない。
ファンの皆さんの笑顔を見て、そう思いました。
みなが待ちわびるプレーボール。
開幕日も6月19日を目指すことになりました。
いつもより楽しみで、いつもより引き締まる日々が待ち遠しいです。
あ、そうだ。
先ほど、冷たいくらいの初夏の風、と、書きました。
その風が気持ちよかったので。
みなさん、おいしそうに召し上がるので。
買ってしまいました。
カープうどん。
これも日常への一歩でしょうか。
太く、長く、いきましょう!
それなりに、しまらなかったですね。笑
ちゃんちゃん。