広島テレビ 放送番組審議会
第418回 広島テレビ放送株式会社 放送番組審議会(報告)
開催日
2003年6月18日(水)
場所
広島テレビ
出席委員
市川 太一 委員長 以下委員8人
社側出席
藤川 魏也 社長 以下9人
ゲスト
工藤雄 福井放送報道制作局長
議事概要
- 集団的過熱取材(メディアスクラム)の実態と対策についてをテーマに取り上げました。
北朝鮮拉致被害家族の取材で、福井県報道責任者会議の幹事として、秩序あるマスコミ取材に尽力した、福井放送の工藤順雄報道制作局長を招いて、その実態と対策の話を聞きました。
福井県小浜市に帰郷した地村保志さん夫妻の取材には、テレビや新聞、雑誌など40社が殺到、その数は450人余りに上ったこと。拉致被害者家族の会との話し合いや実家の地形などから代表取材をしたこと。
当人への個別取材はできていない。代表取材で画一的にならざるを得ない報道を、拉致被害者の親族(父親)からの取材や番組出演、またこれまで撮りためた資料映像の構成で補ったことなどが報告されました。委員からは、代表取材で同じような報道が各社からでることへの疑問などが指摘されました。
審議会は社員に公開され、広島テレビの取材スタッフなどが傍聴しました。
【審議内容の主なもの】
- どこまで取材するかについて各社の意見はすんなりまとまったか?判断にこまったのではないか?
- 地村夫妻が実家に帰り仏壇に手を合わせるシーンの撮影は代表取材でビデオカメラ1台。高いカメラ位置に違和感を感じた。仏壇を拝む時人は座る。カメラが高い位置にあったから視聴者は見下ろす感覚を押し付けられた。失礼な撮影だと批判がきたと報告があったが、ああいう撮影をしないよう教育すべきだ。
- 福井県の報道責任者会議は取材上のルールを持っているか?
【共同取材をするときはルールを作るが、そうでないときは各社個別の判断】
- 代表取材をして自社の独自性はだせるのか?
- 代表取材は、アメリカでは経費削減が目的で始まったというが、日本の代表取材はどうか?キー局へも同じ映像しかいかないのか?
【各放送局もリストラが進み、特に地方局では取材に苦労することはある】
- 視聴者としては同じ映像を見せられるのではなく、独自性のある内容をもとめている。メディアスクラムの真の目的は何か?見る権利知る権利…そのなかでプライバシーを守る…放送する側は苦労しているのだろうが、私たちは単純にもっと知りたいと思う。何が真実か?すこしでも多くの情報がほしい。
- 視聴者がカメラ付き携帯電話で規制対象の映像をとって送ってきたらどうするのか?
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