アナウンサーブログ

ANNOUNCER BLOG

ドタバタかいご備忘録㊿ 施設に預けるのも介護
2019.6.10

もっと母に合う施設があるのかもしれない…

そんな思いから、近隣の高齢者施設の見学を始めた頃、

私に、介護についての講演をしてほしいという依頼がありました。

依頼主は、母を自宅で介護していた時お世話になったケアマネージャーさん。

介護のイベントで、経験談を話してほしいとのことでした。

それまで、身近な人にもほとんど話すことのなかった母の話。

しかも、現在は施設に入居していて、自分が介護しているわけではありません。

冷静に話せる自信もなく悩みましたが、恩返しがしたかったのと、

自分の気持ちの整理にもなるかもしれないと思い、引き受けました。

そして、この講演が、母の新たな施設を見つけるきっかけになります。

このイベントには、多くの介護職関係の方が参加していました。

私が「食事もレクリエーションも、危ないからやらないではなく、

リスクをふまえた上で、どうやったらできるかを考えてくれる施設を探している」と話すと、

「まさに、そういう考えを持った方がグループホームを始める。」と教えてくださいました。

「グループホーム」とは、認知症の高齢者を対象にした少人数の施設で、

老人ホームと比べて、個々の状況に合わせたケアが行われやすいと言われます。

こうして人のご縁に導かれ、母は終の棲家を見つけたのでした。

 

ところで、この講演の際、ある介護士の方にかけていただいた忘れられない言葉があります。

私が、「今は施設で母を見てもらっているので、介護をしているとは言えません。」と話すと、

「施設に預けるのも介護。お母さんのことを考えて、お母さんのために動いているのだから、

あなたはちゃんと介護していますよ。」

とおっしゃってくださいました。

この言葉に、どれほど救われたでしょう。

以来、私は、ようやく人前で

「母が介護施設にお世話になっている」と言えるようになったのです。

最新記事


アーカイブ
月を選択