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ドタバタかいご備忘録(51)“合う”介護施設
2019.6.14

2012年5月、母(当時64歳)は広島市内のグループホームに入居しました。

2階建ての建物に18人の認知症のお年寄りが生活する(個室)、小規模な施設です。

「本人ができることは自分で行ってもらい、難しいことはできるよう援助する」

「本人の尊重が守られた生活、そして自分らしい人生が送れるようサポートする」

という介護方針は、まさに私が求めているものでした。

 

一番嬉しかったのは、やはり食事。

前の老人ホームでは、食材の形が分からない介護食でしたが、

このグループホームでは初日から普通の食事が提供されました。

その代わり、誤嚥をしないよう、食べ始めるのは薬が効いて状態が良くなってから。

他の入居者がすっかり食べ終わっていても、時間がかかっても、スタッフはせかしません。

母は、何年かぶりに、自分で箸をもち、ゆっくりでしたが普通食をたいらげました。

不自由ながらもおいしそうに食べる母を見て、

私は思い切って住み替えて本当に良かったと思いました。

 

他にも、筋力など体の機能を保つため、施設の中ではほとんど車いすを使わず、

立ったり座ったりを丁寧にサポートしてくれました。

また、近所のコンビニエンスストアへの買い物や、公園への散歩など、

外出での気分転換もはかってくださいました。

状態のいい時に、料理や洗濯の手伝いをさせていただけるのも、

脳の活性化や生きがいにつながっていたと思います。

 

老人ホームとグループホームにはそれぞれ、メリットデメリットがあります。

また、施設によって介護方針も違います。

施設の転居は勇気のいることですが、時には見直す柔軟さも必要なのかもしれません。

お年寄りのその時の状態によって、“合う”介護施設は変わるのです。

(グループホームにて)

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