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先週末、G7広島サミット開催記念シンポジウム「核兵器のない世界に向けてー安全への道筋は」を聴講しました。
安全保障の専門家らが集い、核兵器をめぐる世界情勢や日本の立場、サミットへの課題などが話し合われました。
私が最も印象に残ったのは、「日本のいない平和でいいのか」という言葉です。
真の平和のため核兵器廃絶という理想は追求し続けなければならないし、被爆地にはその使命があります。
一方で、世の中は平和になったけれど日本はなくなった…とならないために、今ある日本の安全をどう守るべきなのか。
核戦力を増強する中国、核開発を進める北朝鮮、核による脅しを繰り返すロシアなど、緊張が高まる中だけに考えさせられました。
シンポジウムでは、被爆者の小倉桂子さんも登壇。
「今日ほど政治の現実、世界の現実を深く感じたことはない」と当惑しながらも、「私が広島で感じたこれが核兵器のリアルだ、現実だということをお話ししたいと思います」と、毅然とおっしゃいました。
被爆直後の広島の写真などを見せながら語られた被爆体験。
見渡す限りの焼け野原、瀕死の被爆者、いくつも立ち上る火葬の煙…
当時わずか8歳の少女が見つめ、受け止めなければならなかった残酷なリアルに胸が痛みました。
核兵器は究極の暴力であり、その悲惨さをこうして被爆者の方々が訴えてきたからこそ、78年間使われずに済んだのだと改めて感じました。
開催まで1ヶ月を切ったG7広島サミット。
被爆地に集うリーダー達には、やはり「核兵器のない世界」という最終目標は忘れないでほしいです。
その上で、ロシアのウクライナ侵攻を止めるべく、国際秩序を守ることの重要性や国々の連帯の必要性を再確認し、世界が再び核軍拡から核軍縮に向け舵を切れるよう導いてほしいです。
シンポジウムの模様は、広島テレビの公式YouTube「広島テレビニュース」でご覧になれます。