アナウンサー

ANNOUNCER

工藤選手に捧ぐ
2022.10.26

サンフレッチェに関わるみなさんにとって、

本当に濃く、すさまじい一週間だったと思います。

 

勝利のみしか考えられなかった天皇杯決勝で、まさかの敗戦。

選手もサポーターも、誰もが打ちのめされました。

 

さらに追い打ちをかけたのが、

サンフレッチェでともに戦った工藤壮人選手のICU治療の一報。

 

工藤くんは

そのまま帰らぬ人となりました。

 

 

2017年に広島へ移籍し、鮮烈なゴールを見せてくれました。

 

日焼けに白い歯がこぼれる笑顔が印象的ですが、

明るい、というよりは、穏やかで、優しい人柄で、

高校時代からのおつきあいの奥様とは

うらやましいほど仲むつまじかったです。

 

 

めがねの田中とクラブがコラボしてサングラス企画をしたとき、

メンズフロアで1時間近く悩んで悩んで決めていたところは、

細かいこだわりがある人なんだな~と思いました。

 

私がタイへ一時お引っ越ししたとき、

ちょうど工藤くんもレノファ山口への移籍が決まり、

クラブが私の住んでいた地域にキャンプにやってきました。

 

私が練習を見に行くのを聞きつけた彼は、

わざわざ練習場の地図を送ってくれました。

 

トレーニングでしっかり日焼けした姿、

新チームでやってやるぞという気持ちが表れていました。

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その後、コロナ禍にオーストラリアのクラブでもプレーしました。

思い通りにいかないことも多かったと思いますが、

人前ではいつも前向きであきらめない姿勢。

 

将来は素晴らしい指導者にもなったはずですし、

なによりも、家族を大事にしていた人。

ご家族のことが心配でなりません。

 

そんな中でのルヴァンカップの両チームの横断幕や工藤コール。

サンフレッチェの優勝と選手たちの言葉。

ネット上のたくさんの惜しむ声・・・

 

 

私が訃報を受けたのが、21日夜、

ちょうど出張帰りで広島駅の新幹線改札の前でした。

 

目の前にあったのは、

神獣アーティストの小松美羽さんが描いた

「地球が涙を流した日」という大きな絵です。

 

鮮やかな色彩で描かれた狛犬や折り鶴、昇天する鳥の魂が

涙越しに見えました。

 

みなさんの祈りがきっと工藤くんの魂へ届き

家族への慰めにもなっていると願います。

どうか前を向いて歩んでほしいですね。

 

工藤壮人選手、サンフレッチェのみなさん、

素晴らしいご縁をありがとうございました。

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