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ドタバタかいご備忘録② 発病
2017.2.21

今から20年前、私の父は末期の大腸がんで、闘病生活を送っていました。

当時、姉は横浜で就職し、大学4年生だった私も東京に住んでいたので、

福井では母が一人で父の看病をしていました。

こうと決めたら一途に突き進む母。

医師に匙を投げられても、「私が絶対治療法を見つけて治すんだ」と

断食、自然食品、酵素など、ありとあらゆることに四六時中取り組んでいました。

ふくよかな母が、この時ばかりは1年で10キロ以上体重が落ちたほど、

それは全身全霊の看護でした。

あの頃、私が福井にいて、心労をもっと分かち合えていたら、

母は病気になっていなかったのかなと、今でも考えてしまいます。

 

そして、父が亡くなる数か月前のこと。

帰省していた私は、父の入院する病室で母と並んで座っていました。

その時、私は、母のある“しぐさ”に気が付きました。

膝に置かれた左手の中指が、小刻みに震えているのです。

それは、膝の上で規則正しくカウントするかのような動きでした。

「指が動いてるよ」と注意すると、

「最近、気が付くと勝手に動いてるのよ」と言います。

手を膝から離して何かをしようとすると治まるのに、

じっとしている時、無意識に震えだす指。

今思えば、それはパーキンソン病の典型的な初期症状でした。

IMG_3070

発病する1年ほど前、母48歳ごろ(父にとっては最後の旅行)

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