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母が入居できる施設を見つけたのは、施設探しを始めて半年が経った頃。
そこは、広島市内の、部屋数40室弱の有料老人ホームでした。
それまでたくさんの施設に断られてきただけに、
体験入居後に受け入れOKの返事をもらった時は、ただただ感謝の気持ちでいっぱいでした。
自宅から車で15分ほどと近い距離にあったのも、頻繁に会いに行きやすく、
ありがたかったです。
私が施設に一つだけお願いしたのは、外出の自由を認めてほしいということでした。
母はまだ60歳という若さで、薬が効いていれば近所で買い物や散歩する程度はできたし、
同じ病気の仲間たちと出かけることが楽しみの一つでもありました。
なにより、脳内のドーパミンが減少してしまうパーキンソン病の患者にとって、
活き活きとした生活を送ることが、ドーパミンを増やし、病気の進行を遅らせることにも
つながるからです。
施設側も了解して下さり、すぐに入居の準備へと進みました。
有料老人ホームに入居となると、一般的に、入居一時金や敷金、月額の利用料、食費、
介護保険の負担金などが必要です。
入居一時金は、そのホームを終身利用する権利を取得する費用
(入居時に一部が初期償却され、残りを償却年数で少しずつ償却)で、
何百万円も必要なところから0円のところ(その分、月額費用が高くなる)まで様々です。
母の入居したホームは、一時金は必要ありませんでしたが、家賃3か月分の敷金に、
引っ越し費用、家具の購入など、やはりそれなりの出費となりました。
もし、また別の施設に転居となれば、新たに入居金や敷金、引っ越し費用、
家具の買い替えなどが必要になると考えると、
どうか気に入って長くお世話になってほしいと願うばかりでした。
しかし、初めての老人ホームでの生活は、順風満帆とはいきませんでした。
自宅介護とはまた違った悩みに、何度もぶつかることになるのです。