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精神科病院から老人ホームに戻った後の母は、最も状態が悪化し、
様々なことができなくなっていました。
まず、会話ができない。
私が話しかけても、蝋人形のように無表情で、話す意欲自体が感じられない。
たまに、話そうとする時があっても、声量がなく何を言っているのか分からない。
声が出ても妄想や幻覚が強く、意味が理解できない。
そして、食べられない。
食事の時間に薬が切れて、口を開けることができない。
薬が効いていても、自分でスプーンが持てず、口や喉の動きも弱いため、
少ししか食べられない。
妄想が強くて、食べ物を受け付けないこともありました。
さらに、動けない。
以前は、薬が効いている時は、自分で着替えたりトイレに行ったり、
廊下を歩いて体力作りをしたりしていたのに、この頃は、どれもできなくなっていました。
中でもトイレは、自分から「行きたい」と言うこともほとんどなくなり、
介護者が1時間おきに連れて行くようになっていたのですが、
尿意を感じることが難しいのか、感じても伝えられないのか、間に合わないことが多く、
紙おむつが欠かせませんでした。
こうして、母の身体の機能はどんどん落ち、体重もますます減っていきました。
日に日に弱っていく母を見るのがつらく、私の心は塞ぐ一方でした。
そんな中、老人ホームの医師から家族に、ある相談がありました。
それは、「胃ろう」を行ってはどうか、という提案でした。