ANNOUNCER BLOG
私は、母の病気を通して、たくさんのことを学びました。
介護保険制度のこと、介護施設の種類、認知症の様々な症状、精神科病棟の日常、
褥瘡(床ずれ)の怖さ、介護はきれいごとではないということ、
そして、延命治療の選択の難しさまで…。
母は、病気で苦しむことと引き換えに、最後の最後まで、
身をもって私に教えてくれたのです。
さらに、もう一つ。
母の通っていた病院には、病気の子ども達も多く訪れていました。
その姿を目にするうち、もし自分が押す車いすに、母ではなくわが子が乗っていたら
もっと辛いはず…、そう感じるようになりました。
それは、母の介護に悩み、自分が一番不幸であるかのように落ち込んでいた私にとって
大きな気づきでした。
世の中には、もっともっと苦しんでいる人がいて、どんなに幸せそうな家族でも、
それぞれに悩みを抱えているのでしょう。
母はもしかしたら、私や子ども達の代わりに、
我が家の試練を引き受けてくれていたのかもしれません。
自宅介護と施設介護、合わせて12年の“ドタバタかいご”は、無知で世間知らずだった私に、
こんなにもたくさんのことを気づかせてくれました。
お母さん、ありがとう。
あなたの娘でよかったです!