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間もなく半年
2018.12.25

西日本豪雨災害から間もなく半年。

先日、被災地である広島市安芸区矢野西を取材しました。

実は私は、豪雨の2日後と1か月後にもここを訪れていて、

被災された方から貴重なお話も伺った、ご縁のある地域です。

 

最初に向かったのは矢野小学校。

被災直後は、グラウンドに大量の土砂が流れ込み、

鉄棒は手をかけるところが少し顔を出す程度まで埋まっていました。

校舎の中にまで泥水が入り、先生方がブラシで必死にかき出していたのを思い出します。

1か月後におじゃますると、想像に反し、グラウンドの土砂は減るどころか増えていました。

仮置き場になったからです。

あれから4か月。

グラウンドには元気に遊ぶ子供たちの姿が!

災害前なら当たり前の光景ですが、この時ばかりは感動しました。

土砂がきれいに取り除かれ、もとの姿に戻ったグラウンド。

泥をかぶりさびついた鉄棒は新調され、その横には、地域の方々が塗ってくれたという

カラフルなタイヤ跳びが並んでいました。

豪雨で流された子供たちの鉢植えも業者が新たに無償提供してくれたそうで、

復旧の陰には、たくさんの人の支えと厚意があるのだなと感じました。

教頭先生はおっしゃいます。

「半年が経ち、山肌の崩れも見えなくなった。

こうやって災害は忘れられていくのかもしれない」と。

土砂の痕がついて色が変わった塀などは、後世への教訓として

あえて直さないとのことでした。

 

姫宮地区で被災された方々にも再会しました。

被災直後、しんどくてたまらないはずなのに、

「避難所で受けた様々な支援に対して、私たちに代わってテレビでお礼を伝えてほしい」と

気丈に話してくださいました。

明るく話している途中にふと涙ぐまれたことが、今も忘れられません。

1か月後にお会いした時には、避難所での生活を続けながらも、

「テレビで他の被災者の方を見て、うちだけじゃないと知ってがんばれた」と

おっしゃってくれました。

お会いする度に、被災地を取材することの意義を感じさせてくれる温かい皆さんです。

この度、4か月ぶりにお会いすると、災害後に二次被害で入院した方、家が解体され

更地になってしまった方、自宅は修理できても周囲の変わっていく景色に涙された方など、

それぞれの悲しみがありました。

それでも「矢野が好きだからここに住み続けたい」と口をそろえるのは、

昔からみんなで一緒にバーベキューをしたり旅行に行ったりと、

深いご近所付き合いがあってこそ。

人を前向きにするのは、やっぱり人なんだなと思いました。

 

被災された皆さんにとって、来年は心穏やかな、いい1年になりますように…。

 

 

 

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