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平日のホームヘルパーの訪問に、月に2回のショートステイ利用で、
なんとか自宅介護を続けていましたが、やはり辛いのは夜中の介護でした。
どんなに疲れていても、毎晩必ず2、3回部屋から呼ばれ、
ふらふらになりながら起きて、トイレの介助。
一度トイレに入ると最低30分はこもり、体勢を整えたり座り直したりの手伝いも必要になるので、
寝るに寝られず、トイレの前で毛布にくるまって待つこともありました。
呼ばれる回数が多い時は、私に代わって夫が介助をすることも。
トイレでは、目をつぶったりそらしたりしながら対応してくれたようです。
そんな日々の連続で、私も夫も体力の限界が近づいていた頃、我が家で
ある事件が起きました。
明け方、「ドンドンドンドン」と、家のドアを激しく叩く音。
私と夫はびっくりして飛び起き、ドアを開けました。
するとそこには、切羽詰まった表情の救急隊員の姿が!
状況が飲み込めない私達に、救急隊員は言いました。
「救急の患者がいると連絡を受けました!大丈夫ですか⁈」
なんと、それは母のことでした。
その日、母は夜中に強いうつ症状に襲われました。
「このままでは死んでしまう!」と不安に駆られ私と夫を呼んだものの、
二人とも、疲れがたまっていたのか寝入ってしまい、気づくことができませんでした。
母はわずかに動く指で携帯のボタンを押し、たまたまつながった友人に
救急車を呼んでほしいと依頼。
それがよくあるうつ症状と知らず、心配した友人が、119番通報をしたのでした。
救急車が到着した時には、母のうつ症状は治まっていました。
私は、救急隊員に、母の訴えがうつ症状によるもので、救急搬送の必要がないことを伝え
お詫びし、帰っていただきました。
落ち着きを取り戻した母は、私達にこう言いました。
「私は、24時間、誰かがそばにいてくれないとだめなのよ。」
この出来事が、自宅介護から施設介護へと舵を切るきっかけになったのです。