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ドタバタかいご備忘録㉒ 自宅介護の限界
2017.10.17

平日のホームヘルパーの訪問に、月に2回のショートステイ利用で、

なんとか自宅介護を続けていましたが、やはり辛いのは夜中の介護でした。

どんなに疲れていても、毎晩必ず2、3回部屋から呼ばれ、

ふらふらになりながら起きて、トイレの介助。

一度トイレに入ると最低30分はこもり、体勢を整えたり座り直したりの手伝いも必要になるので、

寝るに寝られず、トイレの前で毛布にくるまって待つこともありました。

呼ばれる回数が多い時は、私に代わって夫が介助をすることも。

トイレでは、目をつぶったりそらしたりしながら対応してくれたようです。

 

そんな日々の連続で、私も夫も体力の限界が近づいていた頃、我が家で

ある事件が起きました。

明け方、「ドンドンドンドン」と、家のドアを激しく叩く音。

私と夫はびっくりして飛び起き、ドアを開けました。

するとそこには、切羽詰まった表情の救急隊員の姿が!

状況が飲み込めない私達に、救急隊員は言いました。

「救急の患者がいると連絡を受けました!大丈夫ですか⁈」

 
なんと、それは母のことでした。

その日、母は夜中に強いうつ症状に襲われました。

「このままでは死んでしまう!」と不安に駆られ私と夫を呼んだものの、

二人とも、疲れがたまっていたのか寝入ってしまい、気づくことができませんでした。

母はわずかに動く指で携帯のボタンを押し、たまたまつながった友人に

救急車を呼んでほしいと依頼。

それがよくあるうつ症状と知らず、心配した友人が、119番通報をしたのでした。

 

救急車が到着した時には、母のうつ症状は治まっていました。

私は、救急隊員に、母の訴えがうつ症状によるもので、救急搬送の必要がないことを伝え

お詫びし、帰っていただきました。

落ち着きを取り戻した母は、私達にこう言いました。

「私は、24時間、誰かがそばにいてくれないとだめなのよ。」

 

この出来事が、自宅介護から施設介護へと舵を切るきっかけになったのです。

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