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パーキンソン病の原因である、脳内のドーパミン減少がなぜ起こるかは分かっていません。
それでも、母の病気の引き金はやはり大きなストレスが重なったことにあるのではないでしょうか。
夫の大病という心労、長い看病疲れ、そして喪失感…
私が広島テレビに入社した4日後、父は53歳でこの世を去りました。
私は母に、広島に来て一緒に生活してはどうかと提案しました。
落ち込んでいる母を心配したのと、
私自身、父が亡くなった寂しさと、広島での新生活に心細さを感じていたからです。
しかし、母は店があるからと、福井の自宅に残りました。
母にとっては、49歳で生まれて初めての一人暮らしが始まりました。
それから3か月ほどたったある日、母からいつもとは明らかに違う動揺した声で
電話がかかってきました。
「手があんまり震えるから、今日、病院に行ったんやけどね。
お母さん、パーキンソン病っていう病気なんやって。
寝たきりになってしまうかもしれんって。
変な病気になってしまって…どうしよう…」
その聞きなれない病名と「寝たきり」という言葉に不安を感じながらも、
「絶対に寝たきりになるわけではないんでしょ。大丈夫。
私も、病気の事調べてみるから。
いざとなったら、こっちに来て一緒に住めばいいんだから。」
とりあえず、そんなような事を言って電話を切ったような気がします。
母にとっては、夫との死別という深い悲しみをこれから乗り越えようという矢先の
パーキンソン病の告知でした。
入社1年目の夏、母が広島に遊びに来た時の一枚。
「広島に骨を埋めるつもりでがんばる」という私に、
「お母さん、ずっと一人になってしまう…」と泣かれました(汗)