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ドタバタかいご備忘録⑳ 初めてのショートステイ
2017.9.27

初めてのショートステイの日、母は朝から、「体調が悪いから行きたくない」

「キャンセルはできないのか」など、後ろ向きな発言を繰り返していました。

「行かなくていいよ」という私の言葉を待っていたのだと思います。

迎えが来ても、「どうしても行かないといけない?」と言って介護施設の方を困らせました。

ケアマネージャーも駆けつけ、再び説得。

最後は私に、「お母さんのこと、見捨てるんやね。」と言って家を出て行きました。

 

母に言われた「見捨てる」という言葉は、しばらく頭を離れなかったけれど、

「今日は介護の事を気にしなくていいんだ。夜中に呼ばれることはないんだ」

と思ったら、自分の身が軽くなったような感じがしました。

一方で、「帰りたい」と言って周りを困らせていないか、

もしかしたら無理を言って帰ってくるのではないかなど、

結局、母の事ばかり考えていたような気もします。

 

そんな私の心配をよそに、母は翌日、笑顔でショートステイから帰ってきました。

「すごくよくしてもらって、よかったよ~。

夜中のトイレも、便が出るまでずっと付き添ってくれたんやよ。

お母さん、嬉しくて涙が出そうだったわ。」

満足そうな母の言葉にホッとしながらも、

私は、自分の介護の不十分さを指摘されたようで少し複雑でした。

もちろん、母はそんなつもりで言っていなかったと思いますが、

それが、当時介護に悩んでいた私の偽らざる気持ちです。

その日以降、母は自ら、ショートステイの利用を望むようになったのでした。

 

 

 

 

 

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