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ドタバタかいご備忘録㊻ 求める介護の形
2019.2.11

「本来なら自分がするべき介護を、人様にお願いしている」

家族を介護施設に預けている人は、きっと誰しも

このような申し訳なさと感謝の気持ちを抱いていると思います。

私もそうでした。

見ていただけるだけでありがたい。

これ以上何かを求めたり、介護に口を出したりするのはおこがましいと…。

しかし私は、いつの頃からか、お世話になっている老人ホームの

ある対応が気になり始めました。

ホームでは、お年寄りがダイニングルームに集まって、一緒に食事をします。

ある日、食事の時間にお邪魔すると、一人の認知症のお年寄りが、

食べ終わった食器を片付けようとしていました。

すると、介護士の方が

「そんなことしなくていいんですよ。私の仕事ですから…。」と制しました。

お年寄りは、「あなたも大変だから。手伝わせて。私、申し訳なくて…。」と言います。

介護士の方は「本当に、しないでください。転んだら大変!私が怒られます。」と言って、

さっと食器を下げました。

お年寄りが、少し寂しそうに見えました。

私は、お年寄りに手伝わせてあげてほしいと思いました。

人の役に立ちたいという気持ちを満たしてあげることも、心の安定につながるのではないか。

また、自分でできることはできる限り自分でやってもらったほうが、

認知症の進行を遅らせるのでないかと。

こうして少しずつ、私の中で、求める介護の形が見えていきました。

そして、母の介護に対しても、要望が生まれていったのです。

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