アナウンサーブログ

ANNOUNCER BLOG

ドタバタかいご備忘録(55)生死を決める選択
2019.7.15

2016年8月28日、早朝、グループホームの方から私の携帯に電話がありました。

「落ち着いて聞いてください。

つい先ほど、お母さまが救急車で病院に運ばれました。

朝、スタッフが様子を見に部屋に行くと、寝ている馬場さんの顔色が悪く、息も浅く、

呼びかけても反応がありませんでした。

救急隊員による応急処置で何とか一命はとりとめましたが、かなり危険な状態です。」

その日は、24時間テレビの放送の日で、

私はちょうど仕事に向かおうとしているところでした。

すぐに会社に連絡し、放送は急遽、後輩に代わってもらうことに。

夫とともに病院へ直行すると、

母は、ホームのスタッフに付き添われ、集中治療室のベッドに寝ていました。

口には酸素マスクを当て、心臓の動きなどがモニターで監視されています。

「お母さん!」と呼び掛けても目を閉じたままで、反応はありません。

医師は言いました。

「心臓はかろうじて動いていますが、呼吸が弱く、今は機械で呼吸を助けている状態です。

もってあと2、3時間でしょう。」

 

この頃、ホームへ会いに行くと、リビングのソファに目をつぶって座っていることが多く、

声もほとんど出なくなっていた母。

それでも、目立った体の不調はなく、この急変は全く予想していませんでした。

母は本当に死んでしまうのか…。

どこかまだ信じられないというのが正直な気持ちでした。

しかし、医師は続けます。

「この後、人工呼吸器を装着するかどうか、

できるだけ早くご家族に決めてもらわなければいけません。」

 

それは、いわば、母の生死を決める選択。

それなのに、十分な時間がない…

あまりにも酷な現実でした。

 

最新記事


アーカイブ
月を選択