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広島市中区の旧日本銀行広島支店で開催中の
『四國五郎 優しい視線・静かな怒り』(四國五郎追悼・回顧展)に行ってきました。
四國さんは、絵本「おこりじぞう」の挿絵などを手がけた広島県出身の画家で、
去年3月に亡くなりました。
弟を原爆に奪われ、自身も徴兵されシベリアに抑留された経験から、
反核と平和をテーマにした絵や詩を多く残しています。
中でも、「抑圧や侵略や非人間に立ち向かう母と子に象徴される人間の愛と勇気を描きたい」
と取り組んだというのが母子像。
今回の展覧会でも、殺された我が子を抱きかかえる母親や、
出征する息子の隣で苦悩に満ちた表情を浮かべる母親の絵などがありました。
子を奪われた母の悲しみと憤りが、痛いほど伝わってきました。
さらに、私が最も印象に残った作品が「弟への鎮魂歌」という詩。
原爆の犠牲になった実の弟に向けたその詩は、弟を愛し、憐れみ、慰め、そして
弟を失った悲しみを乗り越えるべく自分自身に言い聞かせているような、
読めば読むほど胸に迫るものがありました。
他にも、シベリア抑留を描いた絵や、
シベリアからの帰還時に身に着けていたリュックや靴などの展示、
戦前の古き良き広島の街や、広島の様々な橋のある情景をスケッチした絵などもあり
見ごたえがあります。
会期は4月20日(月)までで、入場は無料です。
心からお勧めします!