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ドタバタかいご備忘録⑪ 夜中の介護
2017.5.12

母は、きまって、夜中に3、4回トイレに行きたくなりました。

しかし、夜中は薬が飲めず、最も体が動かない時間。

そのため、トイレの度に介助が必要になります。

母はトイレに行きたくなると、向かいの部屋で寝ている私を呼びました。

私は目を覚まし、母の部屋へ。

ベッドの上で固い人形のように動けなくなっている母を起こし、

向かい合う形で母の両手を持ち、倒れないよう気をつけながらトイレまで連れて行きます。

トイレに着くと、手すりに捕まってもらっている間にズボンをさげ、便座に座らせ、姿勢を正します。

これで用を足して一件落着、といけばいいのですが、実は大変なのはここからでした。

母は、パーキンソン病の症状の一つ、極度の便秘でした。

夜中にトイレに行くと必ず便意をもよおし、一方でなかなかな便が出ず、

そのままトイレに1時間近くこもることもしょっちゅうでした。

その間、私は、ずっとトイレのそばで母を待つことになります。

というのも、母は姿勢を自分で保つことができず、10分くらいすると

便座の上で体がくの字に曲がり、便座からずり落ちそうになってしまいます。

そのため、私が母の体を起こしたり、座り直らせたりしなければなりません。

また、夜中のうつ症状は特に激しく、

「このまま便が出ず、腸が詰まって死んでしまう」と思いこんでしまうため、

「大丈夫だよ」となだめたり、時には便が出るようお腹をさすったりが必要になるのです。

それでも便が出ることはあまりなく、母が「もうやめる」とあきらめた時が終わりのタイミング。

母を便座から立たせ、手すりに捕まってもらい、手が動かない母に代わっておしりを拭き、

ズボンをあげて、また両手を支えてベッドに連れて行き、横になってもらいます。

これでようやく、私は自分のベッドに戻ることができるのですが、

また1、2時間ほどすると私を呼ぶ声が聞こえるのでした。

 

(この頃の母は、病気で変わった自分を写してほしくないと言って、写真がほとんど残っていません。)

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