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ドタバタかいご備忘録⑯ 薬と通院のストレス
2017.6.28

小林麻央さんの訃報から5日。

在りし日の、お子さんとの写真をテレビで見る度、

かわいい子ども達とどんなにか一緒にいたかっただろう、

成長を見守りたかっただろうと想像し、涙が出そうになります。

私は、癌で亡くなった父と、パーキンソン病を患った母の長い闘病生活に接し、

病気が人の心まで支配してしまう怖さを思い知りました。

「力強く人生を歩んだ女性でありたい、子供たちにとって強い母でありたい」と

最期まで凛として笑顔を忘れなかった麻央さんを、心から尊敬します。

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

パーキンソン病には薬が欠かせません。

脳内で減少してしまったドーパミンを薬で補うなどすることで、

一時的に症状を和らげることができます。

ただし、薬が多すぎると副作用が出てしまい、少ないと体が動かないので、

薬の調整が大変になってきます。

母は、眠気などの副作用が強く出るタイプだったので、一度に飲む薬の量を少なくし、

その分、小刻みに、1時間半ごとに服薬していました。

飲むのが遅れると、一人では動けなくなり、よだれは止まらず、息が苦しくなって

うつ症状に襲われるし、一度薬が切れると、再び効くまでに時間がかかってしまいます。

それなのに、私が付いていないと薬を飲み忘れるので、いつも私と母の喧嘩の種に

なっていましたが、今思えば認知症が始まっていたのかもしれません。

そもそも薬の効果が1時間半も続かないことが多く、常に薬が切れることにおびえ、

次の服薬の時間を気にする生活は、しんどいものでした。

 

通院は2週間おき。

私は毎回、会社に半休をもらい、母に付き添いました。

薬の効き方はどうだったか?副作用は?生活上困っていることは?などを医師に伝え、

薬の増減、変更を行いますが、これがなかなかうまくいきません。

というのも、普段、私の前では、体の動きにくさや薬への不満などを訴えてばかりの母が、

肝心の医師の前では強がってしまうのです。

隣で付き添う私は、(どうしてもっと素直に訴えないの?)とイライラするばかり。

さらに、長い待ち時間の間は薬が切れて苦しんでいても、なぜか医師と対面する時には

気が張っているからか、すこぶる調子がいいなんてことも。

私にしてみれば、一番状態の悪い時の母を診てもらって、対処してほしいのですが、

結局、「いい調子ですね。では、薬はこのままで…」となってしまうのです。

つらい症状に耐えて耐えて、やっとの思いで2週間乗り切って迎えた受診日なのに、

母の症状も、介護の負担も改善されないまま。

私はがっかりして病院を後にするのでした。

 

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