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不定期連載 ヒロシマ日記<42>ロシアのウクライナ侵攻
2022.3.1

先週、ロシアがウクライナに侵攻してしまいました。

戦争に勝者も敗者もなく、憎しみや悲しみ、虚しさだけが残ると長年訴えてきた被爆地広島の声が届かず、悲しいです。

今こうしている間も、何の罪もないウクライナの子ども達が「怖い、死にたくない」と泣いているかもしれないと思うと、いたたまれない気持ちになります。

その上、プーチン大統領は、あろうことか「ロシアは世界で最も強力な核保有国だ。我々への直接攻撃は、潜在的な侵略者に敗北と壊滅的な結果をもたらすことは間違いない」と、核をちらつかせ脅すような発言をしました。

絶対に許せません。

 

ウクライナはかつて旧ソ連から独立する際、核兵器を放棄。

ロシアはその見返りに安全保障を約束したはずでした。

約束を平気で破り、筋の通らない正義をかざし一方的に攻め込む…これは、ウクライナに対してはもちろん、国際社会への裏切り行為です。

核なき世界に向けた流れに影響を与えるとの指摘もあり、「ロシアの軍隊の脅威の下に置かれている国は、結局核兵器しかあてにならないのではないかという意見が出てきてもおかしくない」と言う専門家もいます。

私は、「ウクライナは核を手放すべきではなかった」という風潮には、決してなってほしくありません。

核兵器は惨く、非人道的で、戦争が終わってもその先何十年と、被爆者やその家族を苦しめるものだからです。

広島や長崎の原爆資料館を見てください。

 

最大の問題は、核を持つことを許されている国があること…

NPT(核拡散防止条約)体制の限界を感じずにはいられません。

この戦争は、「核兵器を持っていい国などない」ということを浮き彫りにしたのではないでしょうか。

プーチン大統領に限らず、今後、道徳心の欠如した人間が核保有国のトップとなれば、脅威はいつでもどこでも繰り返されるのです。

本当の平和の実現には、核の開発、保有、使用、威嚇などあらゆる活動を禁止する核兵器禁止条約と、核廃絶が不可欠。

そんな思いを新たにしながら、今はただ、一日も早い戦争終結を願います。

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