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「1人1人が警備の要」 当時の広島県警本部長が振り返るサミット警備

G7広島サミットからまもなく1年。広島テレビは読売新聞と共同で深く関わった関係者にインタビューしました。 今回は史上最大規模の警備を指揮した当時の広島県警のトップです。 首脳たちの移動とともに、通りを埋め尽くした警備の車列。史上最大規模とされた警備を指揮したのは、警視庁副総監の森元良幸さん。当時の広島県警本部長です。 ■警視庁 森元良幸 副総監(前広島県警本部長) 「私自身も広島の出身でありますので、警察という立場でお手伝いができたということを大変嬉しく思っておりまして」 森元さんは、伊勢志摩サミットでも警備を指揮。その時とは違う難しさがあったといいます。 ■警視庁 森元良幸 副総監(前広島県警本部長) 「今回のサミット警備の難しさは、都市部における長期大型警備だったということが言えると思います。広島には、過去サミットが行われた洞爺湖周辺ですとか志摩市に比べて非常に多くの住民の方が住んでおられました。」 広島サミットでは首脳たちの行動が広範囲で、滞在期間も長期にわたりました。全国から、最大で約2万4000人が動員され”部隊同士”の連携を重視したといいます。 ■警視庁 森元良幸 副総監(前広島県警本部長) 「警備と言いますと、多くの部隊や人員を集めたらそれで良いということではありません。例えば車列を安全かつ円滑に通行させるためには、沿道の警戒警備に当たる部隊と信号操作などを行う交通部隊が息の合った動きをしなければなりません。全ての職員が固く団結をして、隙のない重層的な警備を行ってくれました。」 サミットでは要人警護をやり遂げました。それを可能にしたのは、直接警備にあたった警察官以外の支えです。 ■警視庁 森元良幸 副総監(前広島県警本部長) 「『各持ち場1人1人が警備の要』というのを伊勢志摩サミットの時、2つスローガン作って、私が好きな言葉でして。(サミット警備は)ロジスティックスの塊と言いますか、いろんな事務が全て無駄ではないと言いますか、裏方に当たる人も、一般の治安にある業務も同じぐらい重要で、そういった点で、この1人1人が警備の要という点がサミットではまさに問われるのかなと。」 首脳たちの警備は、失敗が許されません。世界が注目したゼレンスキー大統領の電撃訪問。 ■警視庁 森元良幸 副総監(前広島県警本部長) 「ゼレンスキー大統領の訪日の可能性につきましては、対応できるように緻密な警備計画を作成するという観点から所要の準備を進めておりました。具体的には相当数の予備部隊ですね。予備部隊を招集するなどの対応をとっておりまして、ゼレンスキー大統領訪日が決まったということを受けまして、こうした予備部隊を柔軟に運用するなどの対応を取ったところです。」 進めていた入念な準備。そのためゼ、レンスキー大統領の訪問が明らかになった時も冷静でした。 ■警視庁 森元良幸 副総監(前広島県警本部長) 「正式に決まったという時も、よしやってやるぞというような感じでして。あまりそれによって何か動揺が走ったりですね、困惑したりですとか、そういうことは全くなかったですね。」 サミットから1年。森元さんは無事警備を終えた成果とともに、広島へエールを送ります。 ■警視庁 森元良幸副総監(前広島県警本部長) 「県民や住民の方々からご協力をいただいて業務を進めるということの大切さ。これが大きなレガシーではないかと思っております。(広島県警察には)こうした業務姿勢をサミット警備における、より大きなレガシーとして活かしていただきまして、県民の安全安心を守り抜くという重い使命を果たしていただきたいと思っております。」 【2024年5月16日放送】

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