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不定期連載 ヒロシマ日記<41>核兵器禁止条約締約国会議オブザーバー参加への壁
2021.12.21

来年3月に開かれる核兵器禁止条約の第1回締約国会議。

アメリカが日本にオブザーバー参加しないよう要請していたというニュースを

見ました。

唯一の戦争被爆国に対し、原爆を落とした国が

よくそんな酷なことを言えたものだと、腹立たしく思いました。

一方で、日本のこれまでの矛盾した態度がまいた種だと感じずには

いられませんでした。

 

先月、ドイツの新政権がその締約国会議へのオブザーバー参加を表明。

先進7か国の中で初めての決断でした。

日本と同じく、アメリカの核の傘の下にあるドイツ。

条約に署名はしていなくても、核なき世界のために何ができるか

本気で探っているのだなと、羨望の思いを抱きました。

それに比べて、アメリカと足並みをそろえなければ核兵器禁止条約には

関われないと、考えること自体をやめているように見える日本。

そして、もっと情けないのは、アメリカのバイデン政権が意欲を示した

核兵器の先制不使用政策に対して、日本政府が反対していることです。

先制不使用宣言をすると、化学兵器など核兵器以外の攻撃を抑止できない

との考えからではないかと言われますが、

被爆国でありながら、核戦争のリスクを減らす努力すらしようとしない…。

これでは、アメリカに締約国会議のオブザーバー参加を止められても、

何も言えないのではないでしょうか。

 

アメリカはドイツにも不参加を働きかけているとのこと。

ドイツ政府は信念を貫けるのでしょうか。

そして、日本はこの矛盾にいつまで背を向け続けるのでしょうか。

広島選出で「核兵器廃絶はライフワーク」の岸田首相に、

今最も聞きたいことです。

 

 

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