
ANNOUNCER

私は仕事の都合上、よく平日の午前中、会社に行く前にグループホームを訪れていました。
その時間は入居者がリビングに集まり、椅子に座っての風船バレーや、歌、体操、クイズなど
レクリエーションが多く行われていました。
毎回楽しく参加している方もいれば、眠ってしまっている方もいます。
私の母も、この時間は調子がすぐれないことが多く、
風船バレーでは私が母の横に座り代わりに打つこともありました。
レクリエーションに立ち会う中で、私は、もっとバラエティに富んだ内容になれば、
お年寄りも飽きることなく、いっそう楽しめるのではないかと思うようになりました。
例えば、ギターが弾ける介護士さんがいれば弾いて聞かせるとか、
ダンスが得意な介護士さんなら一緒に踊るなどしてはどうか…。
お年寄りはもちろん、介護士さん自身も自分の特技が活かせて楽しいはず!
そんなことを考えていると、ふと、
「それなら私も、アナウンスを活かしたことができるかも!」とアイデアが浮かびました。
子供向けの絵本の読み聞かせイベントのようなことを、お年寄りにもできないか?
テレビ派の脳トレみたいなクイズをやっても盛り上がりそう!
ホームへの恩返しになるかもしれないし、母もきっと喜んでくれるはず…
私の心は決まりました。
早速、ホームに進言し、お年寄りが喜びそうな、赤ちゃんの成長をテーマにした絵本を入手。
脳トレクイズ用に、持ち運べるホワイトボードも用意して挑みました。
イベントは大成功!
皆さん、たくさん笑って、たくさん言葉を発してくれました。
また、涙を流して喜んでくださった女性もいました。
中でも好評だったのは、ニュースコーナー。
入居者の中に、毎日熱心に新聞を読んでいる男性がいたことから思いついた企画で、
今注目の人や場所に関するニュースを、クイズを交えながら生で伝えるというものです。
例えば、当時アメリカの大統領だったオバマさんの写真を見せて、
この人は誰でしょう?というクイズを出題。
その後、オバマさんに関する短いニュースを、放送さながらの読み方で伝えました。
ニュースを読むたびに「おぉ~!」と感嘆の声をいただき、私も気持ちが良かったです(*^^*)
考えてみたら、母にとっても、私が読むニュースを傍で聞くのは初めてのこと。
なんとなく、照れくさいような誇らしいような顔をしてくれていた気がします。
子供の頃からアナウンサーの夢を一番応援してくれた母の目の前で、
ようやくアナウンサーらしいことができました。