ANNOUNCER
今週、豪雨災害の被災地、広島市安芸区矢野地区を再び取材しました。
ここは、被災直後の7月9日に訪れた場所で、あの時と比べてどう変わったのか、
あるいはどう変わっていないのかを取材するためです。
1か月前、泥が堆積し、川のように水が流れていた道路は、車が行き交う元の姿に。
埋もれていたガードレールも、全体が見えるようになっていて、
実は私の腰ぐらいの高さまで土砂がたまっていたことに気づかされました。
他にも、ここにこんな高い塀があったのか!とか、元々はこんな川だったのか!など、
土砂や水が引いた今だからこそ本来の姿が分かり、改めて被害の大きさを感じました。
被災された方々にも再会しました。
自宅に住めなくなって市営住宅に入られた方、今も避難所での生活を続ける方など、
1か月では元の暮らしを取り戻せていないというのが現状でした。
それでも、被災からの日々を、
「大変だった」「つらかった」という言葉以上に、
「ボランティアが来てくれた」「重機が入ってくれた」など、
多くの感謝の言葉で振り返られたのが印象的でした。
被災地を歩くと、同じ町の中に、被災した地域と無事だった地域が混在していること、
被災の程度も家によって差があることを実感します。
「うちはたいしたことがなかったから、被害の大きい所は気の毒で歩けない」
とおっしゃった方もいました。
道が一本違うだけで、景色が変わる残酷…。
しかし、今も自宅に住めない方がこうおっしゃっていました。
「最初は自分を悲劇のヒロインのように思っていたけど、
テレビでたくさんの被災者を目にし、うちだけじゃないと知ってがんばれた。」
被災地の現状を伝える意義を感じさせていただいた言葉でした。
被災された皆さんに、一日も早く日常が戻ることを祈ります。