テレビ派

コーナー紹介

俳句道場

放送日:2018年5月16日(水)

第92回 お題「薔薇」(選と評 谷村秀格先生)
<谷村秀格(たにむらしゅうかく)プロフィール>

句の「スケール感」や句の背後の「詩情の広がりや深さ」を重要視する『宇宙流俳句』のパイオニア。『宇宙流俳句会』主宰。1976年広島県東広島市安芸津町木谷生まれ、同町在住。句歴26年

総評

今回のテーマは「薔薇」。
今回は史上最多の投句を全国各地からいただき、うれしい悲鳴でした。

この俳句道場で今年マスターしてほしいことは「託し詠み」です。
「託し詠み」とは、言いたい事・ココロ・気持ち、を直接言葉で詠まず、モノに託して詠むこと。
以下①~④を踏まえて「託し詠み」にチャレンジしていただければ何も難しいことはありません。
気分が出ておれば、文法・季重なりなど、あまり細かいことを言わないのが私の立場です。

①原則有季定型(季語を入れた定型感のある句。多少の字余り字足らずはOK。)
②俳句は余白を空けたり多行書きにせず原則一行で書く。
③仮名遣いは現在使われており将来も使われるであろう「現代仮名遣い」を原則使用する。
④原則テーマ・お題を入れて詠む。

大賞句の「廃線」は、栄枯盛衰を「薔薇の香り」と「廃線」というモノで見事に「モノ語り(託し詠み)」した句。
入賞句の「つるばら」は、「つるバラ」に上手く心情表出できた句。
特選は原則、芸術性の高いもの。
入選Aは原則、詩情は感じられるが、直接表現などが気になる句。
入選Bは原則、直接表現や思いが先行しすぎた句。
選外は、お題がきちんと入っていない、あるいは入選Bに入らなかったもの。
今回もユニークな俳句も多かったので、クスッとくるようなユニーク俳句欄を設けました(入選などとの複数掲載あり)。

今回気になったのは、「薔薇」の固定概念・先入観・常識・日常のままに詠まれた句が圧倒的に多かったことです。
何度も申し上げますが、俳句は詩ですから、ステレオタイプ(先入観・固定概念)や現実・事実にとらわれる必要はありません。
むしろ「事実は真実を遮断し、真実は事実を超越する」ものとも言えます。
次回は、ステレオタイプにとらわれず「そんな気がした」という瞬間・気分を迷わず句にしていただきたいと願う思う次第です。

ご投句いただいた皆さま、放送をご覧いただいた皆さま、どうもありがとうございます。
目先の結果に一喜一憂することなく、毎回の感性を磨く機会を楽しんでいただければ幸いです。
お一人様、5句程度。
どなた様も「テレビ派ホームページ」トップ画面のバナーからお気軽にご応募ください!

大賞

「廃線や薔薇の香りの昼さがり」(ペンネーム「Dr.でぶ」さん 46歳)

ぶらりと訪れた廃線の駅でのシーンが連想される。
かつてにぎわっていた路線・駅、その近くに植えられた薔薇の香りが漂っているという句である。
秀逸なのは、「薔薇の香り」。
「香り(臭覚)」を全面に打ち出し、薔薇の視覚的なイメージを一段奥に引っ込めて詠んでいるところが面白い。
詠まれてみればこのとおり、田舎の寂しげに広がる風景と、あたりに広がってゆく香りの気分とが、とてもよく調和しているのが感じ取れる。
またこう詠まれると、読者としては必然的に「薔薇の香り」をイメージしたくなるのであるが、そうすればするほど「廃線」との対比で、寂しさやもの悲しさが余計に引き立ち、一句の雰囲気にひきつけられる。
これが「廃線や薔薇咲き誇る昼下がり」など、視覚中心に詠まれておれば、原句に比べてどうも作為的・意図的である。
人の世の栄枯盛衰の気分を、堂々とモノに語らせたイメージの調和のとれた「モノ語り(託し詠み)」の一句である。
大賞おめでとうございます。次回もぜひご応募ください。
<作句のポイント>
主観を排して抑制的に詠む。

入賞

「つるバラや長方形の庭ざわざわと」(ペンネーム「うり・ぴーママ」さん 69歳)

「庭のつるバラ」を読んだ句である。
しっかりしたカタチのある「長方形の庭」と、カタチの曖昧な「つるバラ」が「ざわざわと」アメーバーのように増殖してゆく という対比がよく効いた句で、その効果により、無限に増殖してゆく「つるバラ」の強い生命力を鮮やかに描いているところが見事である。
なかでも「ざわざわと」が効果的で心情表出が充分。
表面的には「庭のつるバラ」の生い茂る生命力、その不穏な空気・あやしいまでの妖艶さ・神秘性を詠んでいるのであるが、ひいては作者の胸騒ぎ・落ち着かない様子・強い衝動のようなものまでも感じ取れてきて共感を誘う。
それは、作者が対象と一体となってを句に詠んでいるからにほかなるまい。
若々しい一句である。
入賞おめでとうございます。次回もぜひご応募ください。
<作句のポイント>
カタチの曖昧なもの(つるバラ)としっかりしたカタチ(長方形の庭)の対比。

広島俳句名人詠(無鑑査) ※入賞10回を経た俳句名人の句を本人のコメント(※印)とともにご紹介(→は選者評)。

・呼鈴の震わす空や薔薇の垣(ペンネーム「大福ママ」さん 54歳)
※呼び鈴を押す時はいつもドキドキします。それは、家の中だけではなく辺り一面に響き渡るから。まるで空まで届きそうな気がします。
→初代俳句名人。身辺にいろいろあったようで久しぶりの登場。この句の意図を読めば分かるように非常に繊細でデリケートな方。だからこそその鋭敏な感性が読者をひきつける。「呼鈴の震わす空」とはなかなかの詠めない実感である。しかし「震わす」と意志を打ち出して詠むよりも「ふるえる」とモノの様子に託して軽く詠んだほうが読者が感情移入しやすそうである。舌頭千転といったところか。「呼鈴のふるえる空や垣の薔薇」「呼鈴の空ふるえだす垣の薔薇」など。俳句の古い体質に染まらず清新な世界を今後も是非見せていただきたい。

・廃娼の街へもたれる薔薇の雨(ペンネーム「あや」さん 49歳)
※近隣にある古い歓楽地にて退廃的な女性の香りのイメージで。
→二代目の俳句名人で私の立場に近い方。名人になられてからもますます措辞の斡旋に長けてきており将来恐るべしの存在である。この句は「薔薇」に女性的なイメージをかぎつけるとこがややステレオタイプであるが、この句の場合直接女性は出てこないのでそこまでの傷ではなさそうである。何より「もたれる」が絶妙で心情表出が充分。佳句好句である。

・校庭の風上に向く蒼き薔薇(ペンネーム「リリーアルビデオ」さん 37歳)
※思春期の子どもの真っすぐさと純粋さを句に込めました。
→三代目の俳句名人。素直な詠み方が得意である。この句の場合「校庭・風・薔薇」のモノとモノのイメージが日常べったりというかありきたりでやや惜しい。宇宙は広いので、もう少し飛躍した取りあわせを楽しんでみたいものである。しかし俳句は中七で崩れるものが圧倒的に多いが、その点はさすが俳句形式に慣れていてしっかりしている。

入選句

特選

・やわらかき光さすバラ番外地(ペンネーム「海のきつね」さん 29歳)
→「番外地」がよく効いている。「番外地」はその響きからか少し寂しいイメージであるが、反対のイメージの「バラ」をもってきたことでイメージの世界の調和がとれた。全体的に言葉の選択が安易に感じられるところが惜しいのでそこが課題だろう。次回も挑戦を!

・裏路地の空を打ち抜く赤き薔薇(ペンネーム「じゅんこバズ」さん 37歳)
→散歩道での一句であろうか。中七の実感が一句を救っているが、「路地・空・赤・薔薇」など、モノとモノの関係性に飛躍がないのが惜しい。それが課題であろう。次回も挑戦を!

・姿勢よきバラ新体操のリボン(ペンネーム「かつたろー。」さん 42歳)
→「バラ・新体操」の取り合わせの句。なかなかなのだが、「姿勢よき」と主観を出したのが惜しかった。俳句ではこのような主観的な表現は避けたほうがいい。そこが課題である。次回も挑戦を!

・夕川に薔薇の花束揺蕩いぬ(ペンネーム「銀雨」さん 43歳)
→夕方の光景でなかなか気分の出た句であるが、「夕・薔薇(赤)、川・揺蕩う、薔薇・花束」あたりのイメージの重なりが味わいを浅くしてしまっているところが惜しい。それが課題であろう。次回も挑戦を!

・死して尚薔薇を左胸に抱き(ペンネーム「ギザギザ仮面」さん 46歳)
→心象風景・英雄のイメージの句であろうか。強い実感が力を与えている。「薔薇」に「死・抱く」はややステレオタイプ。課題はもう少し自己主張を押さえ、モノをしっかり据えて詠むことであろう。好句。

・薔薇一輪色乱れゆく江戸切子(ペンネーム「あやまこみち」さん 49歳)
→恋心だろうか繊細な女性心理が美しい。モノを全面に据えており頼もしい。俳句がどういう芸術がよくわかっている方である。「薔薇・一輪、薔薇・色、色・切子」などイメージの重なりが気になるといえば気になるがこれも一句であろう。この方向で。佳句・好句。

・衛兵の影踏みにじる薔薇の園(ペンネーム「カープ女子黒ちゃん」さん 50歳)
→外国旅行での句であろうか。中七などの詠み方はなかなかで屈折した心境が上手く表現されている。少し全てのモノ同士の距離・イメージが近く、世界観が現実的すぎていて惜しいが、これはこれで一句。この方向で。佳句。

・薔薇散ってサハラへ沈む日の真っ赤(ペンネーム「でこ」さん 52歳)
→心象句であろうか。「薔薇・サハラ」の取り合わせはなかなかで全体的な気分に共感したので採ったが、とにかく最後の「真っ赤」が惜しい。このような舌足らずな散文的直接的な表現は目をつぶってでも避けなければならない。作者の課題としておこう。

・薔薇の香の散らばっている回り道(ペンネーム「モリババと40人の盗賊」さん 52歳)
→散歩の句であろうか。中七の表現が秀逸で心情表出がよくできている。しかし「薔薇・道」の関係性がありきたりで惜しい。語と語のありきたりの関係を如何に避けるかが課題。好句。

・詩集読む少女の瞳バラの園(ペンネーム「斎乃雪」さん 55歳)
→一句の気分が美しいので採ったが、見たことのある油絵の風景のようでステレオタイプを抜け出しておらず惜しい。「俳句はだいたいこんなもの」という感覚で詠んでいるようなところがもどかしい。蚊の羽音に宇宙を感じるのが俳句である。モノや言葉の表面的な美に惑わされず、自分の本物の感動を詠むようにしたい。そこが課題であろう。

・薔薇の赤セピアの写真抜けだしぬ(ペンネーム「アヒル艦隊」さん 57歳)
→昔の写真を見ているときの句であろうか。なかなか手慣れた詩的な表現なのであるが、「赤」がいかにも意図的で惜しい。無意識からの表現を心掛けたい。それが課題であろう。

・薔薇香る望遠鏡の大銀河(ペンネーム「徳」さん 58歳)
→大胆な取りあわせを試みようとする姿勢は大変よい。ここでは「薔薇香る/望遠鏡の大銀河」の取り合わせの句ととる。「銀河」も秋の季語であったと思うが、切れ前後の取り合わせがちぐはぐなところが惜しい。「薔薇」と「銀河」の必然性(感動のポイント)がよくわからないのである。そのあたりを今一度整理されたい。次回も挑戦を!

・文机の薔薇一輪や夜の風(ペンネーム「かすみ草」さん 59歳)
→句意は明瞭、やや寂し気な気分の句である。モノに託したカッチリとした詠み方に安心感がある。しかし「文机・薔薇・夜風」という世界観が日常の域を出ておらずステレオタイプで惜しい。宇宙は広いのでもっと大胆な取り合わせを見てみたい。

・薔薇風呂や古代ローマの空の色(ペンネーム「ゆきんこ」さん 59歳)
→心象句であろうか。何より時空を超えてのびやかな気分が心地よい。「風呂・古代ローマ」がやや近しく、一句全体がどことなくつきすぎなところが惜しいが、そこまで傷ではなかろう。もっと句を見てみたい方である。この方向で。佳句好句。

・枯れし薔薇元安川を流れゆく(ペンネーム「⑦パパ」さん 62歳)
→実風景か心象句か。しっかりモノに託して詠んだ意味深で感情移入できる句であるが、「枯れし薔薇」がやや作為的に感じられて惜しい。私見ではせめて「薔薇枯れて」くらいにしてみたい。舌頭千転が課題であろう。参考に。佳句。

・垣根越す真紅の薔薇のその行く方(ペンネーム「えんぴつ新ちゃん」さん 63歳)
→自宅か近所の光景を詠んだ句か。「行く方」と方向性というか動きを持たせたようなところが面白く解釈の楽しみがある句である。散文的な詠み方はなんとか改めるようにしたい。

・薔薇咲くや聖母の白き像のもと(ペンネーム「輝久」さん 63歳)
→おとなしくも大変滋味深く味わい深い句である。「像・薔薇」と来た場合、絶好の詩的素材なので「薔薇・像・心臓」「遠近法」などを振りかざして格好よく詠もうとする場合が多いが、そのような作為・虚栄心のようなものを脇において、ただ対象を写生することに徹して実感をつかもうとしているところがよい。そういうところに作者の人柄や生きざまが感じ取れてくるようで共感を覚える。一番の手柄は「~のもと」。これがよく効いていて、あたかもそこにめがけて「薔薇が咲きに寄ってきている」ようなイメージを醸し出していて神秘的である。一句全体を包み込む宗教的な雰囲気にもよくマッチしている。薔薇の様子に天使の姿が重なってくるようでもある。やや類想感・ステレオタイプであるところ、「薔薇・咲く」「薔薇・白」「聖母・白」などのイメージの重なりが気になるところが惜しかったが、この方向でよい。輝句佳句好句。

・雨粒に紅白混じる薔薇の花(ペンネーム「是多」さん 63歳)
→庭の光景であろうか。自分なりの実感をなんとか捕まえに行こうとしているところがよい。しかし全体的にややつきすぎなところが惜しいので、もっと大胆に詠むようにしたい。そのあたりが課題であろう。

・薔薇の庭秘密をひとつ葬りぬ(ペンネーム「彩楓」さん 65歳)
→詩的で印象的で上手い。世に中にはこのような詠み方もあるのであろうが、観念的な方向に流れそうでやや心配である。例えば後半をどうモノに託すか、そのあたりを課題としておこう。

・母ゴリラ半日目を閉じ薔薇の雨(ペンネーム「じゃすみん」さん 66歳)
→動物園での句であろうか。アンニュイな気分が面白いし独自の視点が生きている。惜しいのは「半日」。作者にとってはしてやったりの発見なのであるが、そういう作為が裏目に出るのが俳句形式の短さ。どこまでも無意識からの作句を心掛けたい。あるいは一晩寝かせてみるのもいいあもしれない。そのあたりが課題であろう。好句。

・宵過ぎの薔薇は逆さに吊られけり(ペンネーム「猫またぎ66」さん 66歳)
→「薔薇」花瓶から抜かれ逆さまに吊られ、ドライフラワーになることによって、永遠の美へ生まれ変わることができる。その「薔薇」の様子に、心身ともにさらなる美・高みを求める女性のイメージや気持ちが重ね合わさるようで、実に妖艶である。「日常を詠む場合はそこに批評精神がなければならない」ということをよくいうが、まさしくそのような一句で、人が見逃してしまいがちなシーンを上手く捉えた。句の調子からどこかしら芭蕉の「道のべの木槿は馬にくはれけり」が想起されるが、他意はあるまい。佳句好句。

・蔓薔薇やアルファベットの郵便受け(ペンネーム「ヒロリン」さん 69歳)
→蔓薔薇の絡まる郵便受けを見ての句であろうか。卒なくまとめた。しかし対象を傍観して詠んでいるので感動が伝わってこない。モノを詠むのは頼もしいが対象と一体となった実感を詠むのがモノ句である。そのあたりが課題であろう。

・掻き落とす薔薇星雲になる蕾(ペンネーム「比々き」さん 69歳)
→ありきたりを避け批評精神をもって独自の切り口を詠んだ若々しい句である。しかし「~になる」というような強い主観、無理やり前後を対比させたような作為的なところ、「薔薇・蕾」によりイメージが堂々巡りしているところが惜しい。作句とはいうものの、俳句はやはり頭(意識)でこしらえるものではなく、無意識からこみ上げてくるものと心得たい。読者は作者のテクニックを見たいのでも技法に感心したいのでも意図を知りたいのでもなく、ただ感じたいのである。句の表面で変わったことをしようとするのではなく、対象からの「そんな気がする」に迷わずカタチを与えてほしいのである。「掻き落とす薔薇の蕾や大星雲」くらいで詠む方が素直な印象であるし、原句の気分も出ているであろう。舌頭千転といったところか。

・薔薇園やア−チをくぐる車いす(ペンネーム「秋月なおと」さん 70歳)
→句意は明瞭。惜しいのは世界観がどうもありきたりで平凡の域を出ていないこと。日常を詠む場合はそこに批評精神がほしいの。そこが課題であろう。

・夕薔薇や月のしずくをひそと吸い(ペンネーム「田中ようちゃん」さん 70歳)
→心象句であろうか。なかなか詩的な気分である。しかして「夕・薔薇・月・しずく・吸う」など盛りだくさんなので少し情報を整理したい。「枯れてゆく薔薇の雫や夕の月」など。

・白薔薇の頬染めてゆく朝日かな(ペンネーム「水彩少年」さん 72歳)
→実感の伴ったはつらつとしたなかなかの句である。「白薔薇の」で軽く切れた句と解釈してもいいし、「白薔薇の頬」と続いている句とってもよい。いずれにしても自分なりの感動をしっかり読んでいるところが大変よい。この方向で。佳句好句。

・薔薇香る庭の向こうに杖ひとつ(ペンネーム「めがねバーバ」さん 73歳)
→三句前の「車椅子」の句と近い世界であろうか。卒なく詠んでいるのであるが、平凡ありきたりな日常詠で説明的なところが惜しい。もう少し大胆に詠んでみたい。

・つるばらやクリーム色の夕まぐれ(ペンネーム「つれづれ」さん 77歳)
→実風景からの句であろうか。「クリーム色」というオリジナルな実感が素晴らしい。眼前の光景と溶け合っていくような作者の気分やまどろみをよく捉えている。この方向で。佳句好句。

入選A

・赤い薔薇ハート型したイヤリング(ペンネーム「モッツァレラ2号」さん 8歳)
→なかなかの句である。語順を「イヤリングハート型した赤い薔薇」にするとさらに印象的になりそう。

・赤い薔薇しあわせ運ぶ青い鳥(ペンネーム「モッツァレラ1号」さん 17歳)
→「赤・青」の対比が作為的で惜しい。また中七のような直接表現は避けて、モノに託して詠むようにしたい。

・薔薇風呂や肩より下の闇隠す(ペンネーム「竹伍」さん 26歳)
→なかなか面白い句。後半が少し説明的なので、モノをもっと打ち出して詠むようにしたい。

・君去りて一輪残る薔薇祭り(ペンネーム「ASARINA」さん 29歳)
→さみしさがよく出た句。「~して~する」と説明的なところが惜しい。

・薔薇咲いた笑顔も咲いた通学路(ペンネーム「はますけ」さん 32歳)
→楽しい句であるがリフレインが惜しい。テクニックに溺れず無意識からの作句を心得たい。

・バラさんにハイハイしよる子とおせんぼ(ペンネーム「丸アレン」さん 34歳)
→俳句形式に慣れてくるとさらによくなりそう。「しよる」という方言風の言い回しに臨場感が感じられる。

・教室の一輪挿しの薔薇かな(ペンネーム「豊田すばる」さん 38歳)
→印象的な句。全体的に薔薇のステレオタイプで詠まれてあるところが惜しい。モノとモノの関係性をもっと飛躍したい。

・薔薇開くときを待ちたり今朝の水(ペンネーム「ふくろう」さん 39歳)
→期待感が伝わる句。全体的に薔薇のステレオタイプであるところと、モノではなくで出来事を詠んだコト句であるところが惜しい。「今朝の水薔薇それぞれに動き出す」など、参考に。

・一輪の薔薇翻車魚のフラメンコ(ペンネーム「モッツァレラえのくし」さん 42歳)
→「薔薇・翻車魚(まんぼう)」の取り合わせは絶妙なのだが、「一輪・薔薇・フラメンコ」のイメージの重なりが惜しい。そのあたりを整理したい。

・おしゃべりの異国めく鳥薔薇の花(ペンネーム「マネレ」さん 43歳)
→「おしゃべりの異国めく鳥」は、響きは美しいがイメージの重なりであり言い過ぎの表現であろう。句の表面で何かのをするのではなく、モノに託して象徴的に詠み、イメージされる世界に美を置きたい。

・歌声は異国の香り薔薇の垣(ペンネーム「ブルージャスニン」さん 48歳)
→華麗な句である。薔薇を薔薇らしく詠むことに終始するのではなくて、薔薇を通して真実を詠むようにしたい。

・曇天の咽ぶ薔薇の香砂利の道(ペンネーム「もじこ」さん 48歳)
→思いのこもった句であるが、舌頭千転。もう少しモノを整理して詠んでみたい。

・碧い惑星六十億の青い薔薇(ペンネーム「普通にありちゃんが好っきー」さん 48歳)
→青で押した句。美しいが作為的・説明的なところが惜しい。入賞句あたりが参考になろう。

・ワンルームの薔薇1厘のコップかな(ペンネーム「腹胃壮」さん 48歳)
→どうも部屋の中の日常をそのまま詠んだだけの傍観の句のようで感動がない。対象と一体となって自分の感動を詠むようにしたい。

・薔薇一輪引越し業者の忘れ物(ペンネーム「鯉こころ」さん 54歳)
→宇宙は広いのにすべての物が部屋の中のイメージで構成されているので、世界観が狭くどこか物足りない。そこを攻めてほしい。

・玄関のすみに一輪薔薇の花(ペンネーム「やまかぜファイブ」さん 55歳)
→何らかの感動は感じられるが、薔薇のステレオタイプの句である。また宇宙は広いのにすべての物が部屋の中のイメージで構成されているので、世界観が狭くどこか物足りない。そこを攻めてほしい。

・下駄箱で揺れて微笑む薔薇二輪(ペンネーム「雅「みやび」」さん 55歳)
→傍観の句で感動があまり伝わらない。また宇宙は広いのにすべての物が部屋の中のイメージで構成されているので、世界観が狭くどこか物足りない。そこを攻めてほしい。

・一輪の薔薇と語らい一人膳(ペンネーム「やんちゃん」さん 56歳)
→寂しさはよく出ているが、説明的である。また宇宙は広いのにすべての物が部屋の中のイメージで構成されているので、世界観が狭くどこか物足りない。そこを攻めてほしい。

・パレードやフラ舞い踊る薔薇の海(ペンネーム「蓮子」さん 56歳)
→華やかさは伝わるが、「パレード・フラ・薔薇」はやはりステレオタイプ。大胆にモノを取りあわせて詩をつむぎたい。

・桃色の薔薇の花香る梅雨の空(ペンネーム「りんの」さん 58歳)
→季重なりや盛り込み過ぎが少し気になる。そのあたりを避けたい。

・つる薔薇の中に忘れた花鋏(ペンネーム「ベルまま」さん 60歳)
→なんらかの実感を感じるが、宇宙は広いのに「薔薇」周辺のことばかりが詠まれていて物足りない。詩なので事実より真実を詠うようにしたい。「つる薔薇の中にはびこる地軸かな」など。

・三日月の贄なる薔薇の尖りおり(ペンネーム「七瀬ゆきこ」さん 60歳)
→一見美的な表現であるが、薔薇(A)をA’あたりでで詠んでいるので、薔薇のステレオタイプ・ありきたりを出ていない。句の表面で何か言おうとするのではなく、モノの力を信じて象徴的に詠むようにしたい。

・ティラノサウルス踏ミツケル薔薇ノ棘(ペンネーム「ラジャーナイン」さん 61歳)
→大胆な句であるが、何を詠むかではなくどう詠むかが大事である。その意味で「ティラノサウルス→踏ミツケル→薔薇→棘」という→前後の語と語の関係性がいたって平凡で惜しい。蚊の羽音に宇宙を感じるのが俳句と心得たい。

・母想い便りに添えた薔薇の花(ペンネーム「ひなじいさん」さん 63歳)
→母を恋う気分の出た句であるが、説明的なところが惜しい。

・抱かれてなければ狂う真夜の薔薇(ペンネーム「李子」さん 63歳)
→なまめかしい句であるが、全体的に直接的な表現が惜しい。そういうことを直接言わずにモノに託して詠むようにしたい。

・白薔薇や今ウエディングフォト届く(ペンネーム「痺麻人」さん 64歳)
→おめでたい句である。しかし薔薇のステレオタイプであり、世界観が日常平凡で惜しい。句は事実を詠んだものかもしれないが、読者は事実を知りたいのではなく、句からただ何かを感じたいのである。日常を詠む場合はそこに批評精神がほしい。「ウエディングフォトすきとおる白薔薇」あたりなら何とか詩になりそう。

・朝露の宝石まとい赤き薔薇(ペンネーム「戦国命」さん 65歳)
→「朝露・宝石・赤・薔薇」と並んでしまうとすべてきらびやかなイメージだらけになってしまいつきすぎである。「朝露(秋)」との季重なりがどうこうというより、イメージの重なりを避けるように詠むようにしたい。

・野ばら咲く弾んで通るランドセル(ペンネーム「クリスマスローズ」さん 66歳)
→なかなか気分の出た句である。どこかしら類想感が漂うところが惜しいが、この方向でよい。

・薔薇垣に羽音と赤い三輪車(ペンネーム「きいたん」さん 68歳)
→なにかしらの実感がともなった句であるが、詠みが追い付いていない。「赤」は不要であろう。モノを放り投げたようなところが惜しいのでもうすこしそのあたりを整理して詠みたい。

・バラ祭り老若男女の集う街(ペンネーム「キートン」さん 70歳)
→素直なのであるが、やはり傍観の句でそこが惜しい。もう少し自信の感動を詠むようにしたい。

・白薔薇が母の残り香消して行く(ペンネーム「みよこ」さん 71歳)
→実感の句なのであるが、詠みが説明的で追い付いていない。「母の香の消えてゆきたる白薔薇」くらいか。

・薔薇の門くぐり再婚話来る(ペンネーム「吞田」さん 71歳)
→おめでたい句であるが、「再婚話来る」は出来事を詠んだコト句であり惜しい。モノに託した世界で詠むようにしたい。

・一輪の薔薇食卓に飾りけり(ペンネーム「あしながおじさん」さん 72歳)
→傍観の句で感動があまり伝わらない。また宇宙は広いのにすべての物が部屋の中のイメージで構成されているので、世界観が狭くどこか物足りない。そこを攻めてほしい。

・ベランダにばらの蕾空明けて(ペンネーム「ももちゃん」さん 72歳)
→なかなか気分の出た句であるが、全体的に散文的なところが惜しい。

・生き生きと友の晩年薔薇育つ(ペンネーム「みなと」さん 74歳)
→咲くでも香るでもなく「育つ」が独自の把握でよい。こういう詠み方もあるが、ここでは原則直接詠みは採用しない。モノにしっかり託して象徴的に詠むようにしたい。

・病室の窓いっぱいの薔薇そよぎ(ペンネーム「コスモス」さん 75歳)
→こういうところは目をつむっても「そよぐ」としたい。中七がやや安易なので「病室の窓の四隅や薔薇香る」など。参考に。

・爆心地アンネの薔薇の息遣い(ペンネーム「柱時計」さん 75歳)
→広島の気分の出た句。「息遣い」がやや作為的。「脈打てり」くらいの実感で詠んでみたい。

・一本の白きバラ剪る息づかい(ペンネーム「ありんす」さん)
→美しい薔薇を切る緊張感であろうか。しかし「息づかい」と言われては、上五中七のタネあかしをされたようで惜しい。「一本の白きバラ剪る飛行雲」あたりで句にしたい。参考に。

・一時間に一本のバス白薔薇(ペンネーム「木村善光」さん)
→一時間薔薇を眺めていたのであろうかゆったりした句である。しかし説明的・散文的な舌足らずな表現が惜しいので改めたい。

入選B

・初夏に咲くあなただけに薔薇1輪(ペンネーム「ケロロ」さん 19歳)
・美しき赤い薔薇にはトゲがある(ペンネーム「ぴょんこ」さん 19歳)
・雲流れ噂話と午後の薔薇(ペンネーム「藤堂星羅」さん 21歳)
・初夏に咲く色とりどりの薔薇の花(ペンネーム「クランキー」さん 24歳)
・薔薇の花棘が心を踊らせる(ペンネーム「マルソルニティアース」さん 24歳)
・赤い薔薇世界を結ぶ聖火の炎(ペンネーム「競馬大好き」さん 24歳)
・バラの花手が届きそう福山の(ペンネーム「彼女大好きな彼氏」さん 24歳)
・あの人は見返り美人薔薇の様(ペンネーム「俳句君」さん 31歳)
・幸せな薔薇色の人生歩みたい(ペンネーム「ねうら」さん 32歳)
・バラの街今年も楽しみ福山市(ペンネーム「なお」さん 36歳)
・初恋は向こうに薔薇とワンピース(ペンネーム「胃痛」さん 37歳)
・薔薇を見て、笑顔で写る、ばらまつり(ペンネーム「きみどり」さん 38歳)
・母の日に花束あげたい薔薇の花(ペンネーム「リジ」さん 41歳)
・薔薇の香が初夏の空気運べけり(ペンネーム「HK」さん 42歳)
・バラの苗初めて植えた3人目(ペンネーム「かおりん」さん 43歳)
・薔薇に指す泥にまみれた土俵かな(ペンネーム「マリオネットキヨタカ」さん 43歳)
・猫騙し薔薇の香りハイキック(ペンネーム「詩人たこらいす」さん 43歳)
・へばりつくチーズの底の薔薇の花(ペンネーム「真改しんかい」さん 43歳)
・ピンク鯉薔薇の香りの贈り物(ペンネーム「武相乱」さん 43歳)
・卒業や薔薇の花束広がる希望(ペンネーム「叔父ちゃん」さん 44歳)
・花屋にて一際目立つ薔薇花弁(ペンネーム「稲葉高飛郎」さん 45歳)
・一方通行の人に薔薇を買ふ(ペンネーム「菊池洋勝」さん 46歳)
・薔薇くわえジヤンヌダルクやいざ行かん(ペンネーム「日向ぼっこ」さん 48歳)
・去年より一輪多い薔薇の束(ペンネーム「洒落神戸」さん 50歳)
・薔薇花とげを取る手に涙する(ペンネーム「チッチ」さん 56歳)
・ガラスペンきのうの薔薇に色添えて(ペンネーム「インゴット」さん 58歳)
・女王が散る革命や赤き薔薇(ペンネーム「たけの子」さん 58歳)
・染まる道あかね空から薔薇花べん(ペンネーム「ヨシ整体」さん 60歳)
・五月雨に打たれ麗し薔薇の花(ペンネーム「9月の雨 順子」さん 61歳)
・ヒール折れ美しき薔薇の女のゐる(ペンネーム「松廣李子」さん 63歳)
・早起きしあの娘の机に薔薇束を(ペンネーム「さんちゃん」さん 64歳)
・薔薇のよう君頬染めし華やぎて(ペンネーム「つくしんぼ」さん 64歳)
・薔薇の花びら噛んだが失恋し(ペンネーム「みっちゃん」さん 64歳)
・ほろ酔いの男の右手薔薇の束(ペンネーム「葦たかし」さん 67歳)
・咲き誇る庭の薔薇には母の香が(ペンネーム「八重桜」さん 67歳)
・野薔薇原甘い香りに虫憩う(ペンネーム「さくら」さん 68歳)
・シャンプー台かのバラの香空かける(ペンネーム「グラングラン」さん 69歳)
・紅バラや紫煙に映えてフラメンコ(ペンネーム「おちえもん」さん 70歳)
・紅薔薇やナンバーワンを主張せり(ペンネーム「ふー」さん 71歳)
・墓参り主無き庭にも咲くや薔薇(ペンネーム「「コウちゃん」のじいじ」さん 72歳)
・薔薇園のゲート潜りて息を吸う(ペンネーム「匿名じいさん」さん 73歳)
・幼子や傘のしずくと紅いばら(ペンネーム「だいさん」さん 75歳)
・五年振り駅のホームで咲いたバラ(ペンネーム「東広島のなそじい」さん 75歳)
・薔薇の露アンネの日記にじませり(ペンネーム「めぐちゃん」さん 77歳)
・借景の緑に映ゆる薔薇の園(ペンネーム「古志清右衛門」さん 78歳)
・バスを待つ薔薇のパラソル子の寝息(ペンネーム「華みづき」さん)

ユニー句(句)

・差し出され頭は真っ白赤い薔薇(ペンネーム「海のきつね」さん 29歳)
・いつも薔薇たまにはお金で大丈夫(ペンネーム「さひーん」さん 30歳)
・薔薇の花森本ケンタそのものだ(ペンネーム「赤ヘルのプリンスでありんす」さん 39歳)
・薔薇という漢字をあなたは書けますか(ペンネーム「しまっかーとにー55」さん 41歳)
・とうかさん出店の薔薇に迷う下駄(ペンネーム「今日も晴れ」さん 43歳)
・バラのとげなんであるのかなぞだらけ(ペンネーム「わた」さん 44歳)
・薔薇と書く途中諦めカタカナで(ペンネーム「Dr.でぶ」さん 46歳)
・薔薇よりも刺々しオカンの小言(ペンネーム「日向ぼっこ」さん 48歳)
・愛人のピロートークや薔薇の棘(ペンネーム「腹胃壮」さん 48歳)
・家計簿に薔薇一本の文字躍る(ペンネーム「モリババと40人の盗賊」さん 52歳)
・蔓薔薇や手の付けられぬ吾が娘(ペンネーム「いようさぎ」さん 54歳)
・花束はやっぱり薔薇が最高でーす(^o^)(ペンネーム「やまかぜファイブ」さん 55歳)
・美しい薔薇と妻には棘がある(ペンネーム「やんちゃん」さん 56歳)
・紅き薔薇棘より痛し黒毛虫(ペンネーム「蓮子」さん 56歳)
・薔薇組と漢字で書いてる園児かな(ペンネーム「おくにち木実」さん 60歳)
・薔薇の数より棘の数だけの愛(ペンネーム「七瀬ゆきこ」さん 60歳)
・夢叶う試行錯誤の青い薔薇(ペンネーム「孫4人じぃじ」さん 61歳)
・我が妻は薔薇に劣らずトゲを持ち(ペンネーム「さんちゃん」さん 64歳)
・誕生日薔薇より団子と妻が言い(ペンネーム「みっちゃん」さん 64歳)
・門の薔薇まず褒められて回覧板(ペンネーム「葦たかし」さん 67歳)
・薔薇祭り笑顔あふれる子供たち(ペンネーム「あしながおじさん」さん 72歳)
・金婚の泣いた数だけ薔薇を抱く(ペンネーム「匿名じいさん」さん 73歳)
・豪邸を斜に見ている庭の薔薇(ペンネーム「東広島のなそじい」さん 75歳)
・バラの花美人の店に買いに行く(ペンネーム「赤ヘル一直線」さん 62歳)
・紅か差す薔薇も待ちわぶホームラン(ペンネーム「コンセプシオン6」さん)

入賞入選の皆様おめでとうございます。

◎次回のお題は「バナナ」
大賞の方には3,000円分のクオカードをプレゼント!奮ってご応募ください!
次回は5月30日の放送です。作品の締切は5月23日水曜日です。

過去の放送内容